以下は、子ども脱被ばく裁判二審で行政裁量論が中心テーマとなった時の弁護団MLに投稿したもの。腰が抜けそうになった、行政裁量に関する革命的主張をしていた小早川光郎の発見の紹介の続き。
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Subject: [2019maxlaw:2326] 報告(続き2):日光太郎杉東高判決についての解説
Date: Mon, 29 Nov 2021 10:39:33 +0900
柳原です。
これはコーヒーブレイク。
日光太郎杉東高判決についての超簡単で分りやすい解説です。多忙な光前さん、これなら2分で読めますよ。
「日光太郎杉事件」のこと
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「日光太郎杉事件」というのは,栃木県の日光東照宮(徳川家康を神格化した東照大権現を祀る)には,「太郎杉」と呼ばれる高度の文化的価値のある古木が存在するが,当時の建設大臣が道路拡幅のため,土地収用法20条を適用して,その「太郎杉」の伐採計画を含む土地収用裁決を行ったところ,この計画に反発した地元住民がその裁決の違法を主張して起こした行政訴訟である。
この訴訟で,東京高裁は,建設大臣の土地収用裁決について,裁量権行使の方法・過程に違法があるという行政裁量をコントロールする新たな法的枠組を構築・判示し,当該土地収用裁決を取り消した。
曰く「(行政裁量の行使方法について)本来最も重視すべき諸要素・諸価値を不当・安易に軽視し,その結果当然尽くすべき考慮を尽くさず,又は本来考慮に容れるべきでない事項を考慮に容れもしくは本来過大に評価すべきでない事項を過重に評価」した場合には,「裁量判断の方法ないしその過程に誤りがあるものとして,違法となる」, 「高度の文化的価値を持つ自然環境の保全は、国民が健康で文化的な生活を営む条件にかかわるものとして、行政の上においても最大限に尊重されるべきものであるから、これを道路建設のため収用するには、右の要請を越える必要性がなければならない」という。
現在の裁判官の圧倒的多数が,国に対する行政訴訟で,-原発訴訟といい,辺野古訴訟といい-,国の指定代理人から「行政裁量」の抗弁がでてきた途端に,「思考停止」してしまい,私人の側を負けさせるといった嘆かわしい傾向・現実があること(その例外が,「絶滅危惧種」と呼ばれる藤山雅行裁判官等)を思うにつき,学生時代に学んだ「日光太郎杉事件」のことがつくづく思い出されるのである。
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